「東ティモール・マウベシ珈琲」
東ティモールのアイナロ県マウベシ郡は、豊かな自然に囲まれた標高約1500mの山間地です。昼夜の気温差が甘みのあるコーヒーの実を育てるといわれています。コーヒーは農薬や化学肥料を使わずに有機栽培されています。
収穫期になると、完熟した実だけを収穫し、果肉を除去し、発酵させ、2週間ほど天日で乾燥させます。どの過程でも一粒一粒丁寧に選別することで、品質の高いコーヒーになります。
その後、首都ディリにあるパルシックの二次加工場で薄皮がはがされて生豆になり、船で日本に届きます。ほっかいどうピース・トレードでは、パルシックから生豆を入手し、独自に焙煎し、北海道発のフェアトレード商品として「東ティモール・マウベシ珈琲」を販売しています。小さなピース・トレードですから、少しずつ毎週のように焙煎しているので、いつでも香り高い珈琲をお届けできるのです。
なお、パルシックの支援で2002年に34世帯で始まったコカマウ(マウベシ郡コーヒー生産者協同組合)は、2020年には600世帯を超えています。現在、コーヒー畑の手入れ、加工方法の工夫など、よりおいしいコーヒー作りのために、さまざまな課題に挑戦しています。
北海道発の国際協力
2002年、東ティモールは悲願の独立を果たして国つくりを始めましたが、貧困が大きな課題でした。そのため、唯一の産品であるコーヒーをフェアトレードで支える国際協力が始まりました。
ほっかいどうピース・トレードは、2008年1月から、北海道発のフェアトレード商品として「東ティモール・マウベシ珈琲」の販売を開始しました。北海道発にこだわったのは、小規模な地域の中でなら、小規模な人々との「困ったときはお互い様」のつながりが作りやすいと思ったからです。取扱店とも協力関係を築きたいと思いました。北海道農業の応援に北海道米を販売しているのもその一環です。
また、フェアトレードは適正価格で買って終了ではありません。ささやかでも利益を還元する必要があります。そのために生産者の生活ニーズに対応した「フェアトレード・ソーシャルプレミアム」があります。
ほっかいどうピース・トレードでは、北海道米の収益金にマウベシ珈琲の売り上げを加算し、毎年、コカマウにソーシャルプレミアムを届けています。ささやかなプレミアムなので、大雨で崩れた道路補修などの共同作業のときの、お昼代などに、有効に使ってくれています。